CFB Ice’s Rejected Pro Tour Aether Revolt Brews By Paulo Vitor Damo da Rosa
http://www.channelfireball.com/articles/cfb-ices-rejected-pro-tour-aether-revolt-brews/
PT期間恒例、没デッキ紹介の時間がやってきた。今回はとりわけて革新的なリストはないが、メタ予想に基づいた判断もあるのであなたが大会に参加するときの参考になるだろう。
それでは最初は、明日使うならコレというデッキだ。
青赤ゾンビ
土地
4《さまよう噴気孔(OGW)》
4《尖塔断の運河(KLD)》
3《ウギンの聖域(BFZ)》
6《島(KLD)》
6《山(KLD)
生物
4《秘蔵の縫合体(SOI)》
4《縫い翼のスカーブ(SOI)》
4《改良された縫い翼(EMN)》
4《老いたる深海鬼(EMN)》
呪文
4《安堵の再会(KLD)》
3《苦しめる声(SOI)》
3《稲妻の斧(SOI)》
3《癇しゃく(SOI)》
4《コジレックの帰還(OGW)》
3《熱病の幻視(SOI)》
サイド候補
このデッキの原型はPTカラデシュでフランス勢が持ち込んだもので、GPデンバーではAndrew Wolbersが使っていた。霊気紛争のカードを組み込もうとしたものの、固定パーツが多く適わなかった。旧デッキとは聞こえが悪いが、良いデッキだよ。
デッキの動き
このデッキは墓地にスカーブを落とし、縫合体と共にリアニメイトさせ、深海鬼でボードを掌握する。捨てないことには始まらないが(苦しめる声、安堵の再会、稲妻の斧、それにエンドステップでも捨てられる)、一度動き出せばもう止まらない。4T目までは防戦一方だが、そこから一気にまくり返そう。マリガンを積極的に行うデッキだから、大抵6枚スタートする。
使わなかった理由
青いカード、特に《否認(AER)》と《不許可(AER)》に相性が悪かった。始め、リアニシステムは青赤、グリクシスに有効だと考えていたのだが、不許可が全てを変えた。スカーブも縫合体も誘発を止められ、《奔流の機械巨人(KLD)》が無情にも使いまわしてくる。ジェスカイサヒーリ相手も厳しい。否認で安堵の再会を消されるのは余りにも辛いので(そのためサイドに街の鍵を積んでいる)、サヒーリに不利のつくデッキの使用を見送った。
必要なもの
青赤ゾンビは否認、それより辛い不許可の少ないメタでなら甦る。まさに今のメタゲームがそれなので、メタの変わらない内が使い時だ。
ジェスカイサヒーリ
土地
4《霊気拠点(KLD)》
2《港町(SOI)》
1《大草原の川(BFZ)》
4《感動的な眺望所(KLD)》
4《尖塔断の運河(KLD)》
2《さまよう噴気孔(OGW)》
4《平地(KLD)》
5《島(KLD)》
生物4
《守護フェリダー(AER)》
3《奔流の機械巨人(KLD)》
呪文
4《サヒーリ・ライ(KLD)》
2《燻蒸(KLD)》
1《ショック(AER)》
1《チャンドラの誓い(OGW)》
4《予期(BFZ)》
4《否認(AER)》
4《蓄霊稲妻(KLD)》
2《不許可(AER)》
4《天才の片鱗(KLD)》
1《ジェイスの誓い(OGW)》
サイド候補
もしPTで使うならこんなリストだったろう。特色はメイン否認4で、ミラーマッチを強く意識した。
デッキの動き
即死コンボを搭載したコントロールだ。長期戦をカウンター、片鱗、青巨人で制することもあるが、サヒーリコンボの存在が常に相手を脅かす。3T目にサヒーリを設置したなら、相手はどうするだろう?《無許可の分解(KLD)》を構えることも出来ようが、こっちとしては願ったりだ。PWは生き残り、土地が伸びて相手は展開が叶わない。お願いフルタップで返して来るなら、無限コンボを決めて終わらせてやろう。
使わなかった理由
3つある。
一つ、ガンメタデッキを使いたくなかった。トップメタに有利がつくと思い込んでいてその実不利なデッキを持ち込む人がいる(フェアリーの時代を思い出す)。《領事の権限(KLD)》なんて弱いカードを見かける現環境もその一例なのだが、余りにサヒーリコンボは知られ過ぎた以上、明確に不利のつくデッキを持ち込む人はもう居ない。よって、コンボデッキ特有の圧勝マッチアップは消滅してしまった。
二つ、満足のいくミラー用サイドが作れなかった。もちろん、メイン否認4は効くだろうが、サイド後は対策が飛んでくる。こちらの思いつくものは皆積んでいるだろうから、差別化は困難に思えた。
三つ、流行が予想(現実はそれを超えたが)されるマルドゥに対し不利がついた。サイド後で有利に持っていくことは可能だが多くの枠を必要とし、ミラーとマルドゥ耐性の両立をするには枚数が足りなかった。
サヒーリコンボが復権するには?
メタを見極めよう。両極端のデッキであるミラー、マルドゥのどちらともを見ることはできない。現在のメタならマルドゥと黒緑アグロ対策を重視すべきだ。嬉しいことに、対策カードは被っている。これからジェスカイサヒーリを使うなら、メインの否認数枚を除去に替え、サイドには対マルドゥ最高のカードである《霊気溶融(KLD)》を取ろう。
青赤即席現出
土地
1《霊気拠点(KLD)》
4《産業の塔(AER)》
4《尖塔断の運河(KLD)》
4《さまよう噴気孔(OGW)》
2《ウギンの聖域(BFZ)》
5《島(KLD)》
3《山(KLD)》
生物
2《ピア・ナラー(KLD》
4《異端の飛行機械職人(AER)》
3《砦の発明者(AER)》
4《怒れる巨人(AER)》
1《無秩序街の主(AER)》
4《老いたる深海鬼(EMN)》
呪文
4《発火器具(AER)》
1《テラリオン(EMN)》
4《歯車工の組細工(KLD)》
4《霊気装置の設計図(AER)》
2《街の鍵(KLD)》
4《金属の叱責(AER)》
サイド候補
即席は初めて見たときぶっ壊れだと感じたのでいろんなバージョンを試した。これはお気に入りのタイプだが、それでも競技レベルと呼ぶには物足りない。最強の即席カード(《艱苦の伝令(AER)》)が入っていないが、全体的に殴り値があり、即席生物で深海鬼のコストを踏み倒すことで早期決着が見込める。怒れる巨人は一押しだ。速攻とサイズが相まって出たターンにサヒーリをシバける。
期待外れだった点
構造的に欠陥品だった。即席カードを使うには組細工や設計図などの2流カードを使わねばならず、それでもなお即席カードは強力と言い難い。最近の生物の質はとても高く、4マナ4/4程度では対抗できない。それなら準備要らずで能力も優秀な《精神壊しの悪魔(SOI)》を使うし、それでさえも活躍できないのが現環境なのだ。
改良するには
現段階では構築レベルとは呼べない。今後強化されるには超えるべき2つのハードルがある。
- 良質なトークン生成。簡単に横に並び、かつ強いアーティファクトが出るなら強くなるかもしれない
- 良質な即席。ブン回りする時も偶にはあるが、現実には他のプレイヤーが4マナでプレイする内容さえ満足にできないことがある。マナ軽減さえすれば、そのマナ域のカードを遥かに凌駕する即席カードが欲しい。でなければ、《放浪する森林(BFZ)》を使うまでだ。
どっちも厳しいので、即席デッキを使うことは暫くの間なさそうだ。
グリクシス電招の塔
土地
4《霊気拠点(KLD)》
2《さまよう噴気孔(OGW)》
4《尖塔断の運河(KLD)》
4《進化する未開地(BFZ)》
1《窪み渓谷(BFZ)》
1《詰まった河口(SOI)》
3《燻る湿地(BFZ)》
1《沼(KLD)》
1《山(KLD)》
5《島(KLD)》
生物
4《奔流の機械巨人(KLD)》
呪文
4《不許可(AER)》
3《致命的な一押し(AER)》
4《蓄霊稲妻(KLD)》
3《無許可の分解(KLD)》
3《電招の塔(KLD)》
2《否認(AER)》
2《光輝の炎(BFZ)》
3《予期(BFZ)》
4《天才の片鱗(KLD)》
2《ショック(AER)》
サイド候補
純正青赤ではなくグリクシスを使おうとしたのは、火力では黒緑アグロを捌けないからだ。ショックでは焼けずとも一押しでなら除去が可能で、青赤では機械巨人を落とす手段はないが黒を足せば分解がある。マナベースは然したる問題ではないので、場に出た生物に対処できる分グリクシスが上位互換であるように思えた。黒を触る利点として《光袖会の収集者(AER)》もある。コントロール相手に除去を抜く人が大半なので、テストを通して気に入った1枚だ。
期待外れな点
一つ理由があってこのデッキはお蔵入りとなった。メタが不明確な状況で、防御的なデッキを使うことに抵抗があった。プロツアーには多種多様なデッキが参加するものだが、コントロールはそういう場に持ち込むべきでない。もし相手が予想外な(例えば巨像コンボ)デッキを使っていた場合、相手の色事故で勝つことさえできなくなる。10Tかけて1:1交換を取り続けるmtgをしたくはないし、除去を引き続けてギデオンやチャンドラに押しつぶされるのがコントロールの宿命だ。
黒緑アグロに有利がつくし、ジェスカイサヒーリ相手も悪くない。とはいえ圧勝とも言えず、不満は残る。
改良するには
分からない。何故って、目立った問題はないんだ。防御的なデッキを使うことの構造的問題と言った方が適切だろうか。メタゲームがはっきりしているのなら(今がまさにそうだ)、グリクシスタワーは有力な選択肢となる。
4色サヒーリ霊気池
土地
4《植物の聖域(KLD)》
3《尖塔断の運河(KLD)》
1《感動的な眺望所(KLD)》
3《進化する未開地(BFZ)》
4《霊気拠点(KLD)》
1《島(KLD)》
1《平地(KLD)》
1《山(KLD)》
4《森(KLD)》
生物
4《導路の召使い(KLD)》
4《ならず者の精製屋(AER)》
4《守護フェリダー(AER)》
2《つむじ風の巨匠(KLD)》
2《絶え間ない飢餓、ウラモグ》
2《老いたる深海鬼(EMN)》
呪文
2《織木師の組細工(KLD)》
2《ニッサの誓い(OGW)》
4《霊気との調和(KLD)》
4《蓄霊稲妻(KLD)》
4《サヒーリ・ライ(KLD)》
4《霊気池の驚異(KLD)》
サイド候補
チャネルプロのチームファイアが使ったデッキに似ているが、サヒーリコンボを抑えた代わりに霊気池に特化したデッキとなっている。
デッキの動き
霊気池、サヒーリコンボ、ETB生物をブリンクやコピーでアドを取るミッドレンジ、以上3つがごった煮となったデッキだ。既に精製屋、ニッサの誓い、《雲先案内人(KLD)》を採用した4Cサヒーリは有名だが、霊気池と組み合わせたものはない。それは大きな間違いだ。何故なら4Cサヒーリのパーツは霊気池と非常に相性が良いからだ。
テストプレイの中で、最高のデッキパーツはサヒーリコンボではなく霊気池であることに気付いた。相手はみな軽量除去(ショック、一押し、発火器具)で向かってくるだろうが、場に出てしまった霊気池を対処できるデッキは多くない。除去デッキは速度がないから霊気池の当たりは直ぐ出る必要もなく、ガチャを回し続ければいつしかウラモグにたどりつく。サヒーリコンボもウラモグも決まらずとも、ETBカードをブリンクやコピーすることで物量差で押しつぶすプランも健在だ。
使わなかった理由
ジェスカイサヒーリに弱かった。こちらには相手の3Tサヒーリを咎めるカードはなく、否認によってこちらのトップデッキは対処される。ゲームが長引けば、カードアドバンテージと不許可にしてやられる。
必要なもの
サヒーリ系ミラーを制しつつ、他のデッキにも耐性をつけられるのか。テスト段階で持ち上がった課題だが、幸い今はサヒーリが下火となっているため、ビート対策に傾けてもいい。とはいえ、デッキの固定パーツが多いため弄る自由度は狭い。追加するのに最適なカードは霊気融解だろうか。