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Cards, Not Decks: The New Standard

スタンダード 考察

http://www.channelfireball.com/articles/cards-not-decks-the-new-standard/

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  カードは変わった。いつの間にかカードパワーが高くなっていた。どうして起こった?多くの理由があるだろうが、パワーインフレが新カードを魅力的にする手なのは確かだ。これにより新カードが下環境でも見られるようになりスタン外のプレイヤーの目を惹くようにさえなった。カラデシュは、ウルザブロックに次ぐ下環境に多大な影響を与えたブロックだ。ゲートウォッチが(つまりプレインズウォーカーが)次元の悪党と戦うセットに求められる新デザインは、能動的なカードだ。スペルのような受動的なカードではない。これで弾みがついた。

 

 R&Dは新メカニズムに光を当てた…強すぎる余りに使わなければ損というカードも中には出てきた。搭乗の《密輸人の回転翼機(KLD)》、エネルギーの《霊気池の驚異(KLD)》だ。かつてはカードパワーはもっと低かった。生物のような能動的なカードはここまでではなかった。シナジーや組み合わせを見つけ出す創造性がなければ、デッキに仕上がらなかった。今となっては、多くの人が「巡洋戦艦mtg」と呼ぶ状態になっていることは明らかだ。

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 「巡洋戦艦mtg」…個人的には「『着こなし上手は誰?』スタンダード」の呼び方が好きだが…なる言葉は、少数のカード若しくはコンボが圧倒的に他を引き離すカードパワーを持った状態を指している。カードパワーが高いばかりでなく、クソゲー発生装置でもある。直ぐ対処できなければ、もう手がつけられない。Mike Sigristも言うように、後手だったり対処にしくじっただけでゲームが終わってしまう。カードデザインの手法が変わったことで電波カードの新しい・面白いコンボを模索するのは困難になり、新カードを見る目は変わってしまった。

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  それでは、今のスタンダードで着こなすべきカードはどれだ?

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 使わなければ、勝てない。《不屈の追跡者(SOI)》や《ピーマの改革派、リシュカー(AER)》も強いカードだが、上に挙げたのはスタンダードを規定するカードたちだ。そのどれかに戦略を絞って可能な限り有効活用する構成にすれば、強いデッキの出来上がりだ。

 ここまで来れば、「デッキ」だったり「戦略」の話ではないことが分かるだろう。どの「カード」を使うかが、メタゲームを左右することなのだ。

 例を出そう。色々なタイプの黒緑デッキがトップメタに位置している。黒緑はミラーに備え、マルドゥ機体は《燻蒸(KLD)》と共に多角的な戦いを挑んでくる。するとどうなるだろうか?緑黒アグロ・ミッドレンジに有利のつくカードはコントロールに効かない。それに《金属の叱責(AER)》はマルドゥ機体のサイドには久しく見ていない。

 金属の叱責が刺さるのは?《奔流の機械巨人(KLD)》だ。

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 今のメタゲームで使いたいカードが決まったのなら、それをうまく着こなせるデッキに仕上げるだけだ。今のところ、いくつか競技レベルの青巨人デッキがある。

Jeskai Saheeli 

Anaturaldeath85, 5-0 in a Competitive Standard League 02/18/2017

土地

4《霊気拠点(KLD)》

4《感動的な眺望所(KLD)》

6《島(KLD)》

2《鋭い突端(OGW)》

2《港町(SOI)》

3《大草原の川(BFZ)》

2《平地(KLD)》

4《尖塔断の運河(KLD)》

生物

3《奔流の機械巨人(KLD)》

3《守護フェリダー(AER)》

呪文

4《サヒーリ・ライ(KLD)》

1《先駆ける者、ナヒリ(SOI)》

4《予期(BFZ)》

2《不許可(AER)》

1《燻蒸(KLD)》

4《天才の片鱗(KLD)》

4《蓄霊稲妻(KLD)》

2《否認(AER)》

1《ジェイスの誓い(OGW)》

2《光輝の炎(BFZ)》

2《ショック(AER)》

サイドボード

1《石の宣告(SOI)》

2《断片化(KLD)》

1《燻蒸(KLD)》

1《鑽火の輝き(OGW)》

1《先駆ける者、ナヒリ(SOI)》

2《否認(AER)》

1《空鯨捕りの一撃(KLD)》

4《呪文捕らえ(EMN)》

2《払拭(BFZ)》

 

長所

  • コンボ
  • 呪文捕らえ
  • 燻蒸

短所

  • コンボ
  • 低速

  典型的な青巨人コントロールの最たるものだが、ジェスカイサヒーリはそこに無限コンボを仕込んでいる。コンボを組み込んだことで、相手にタップアウトを許さずコントロールミラーでの優位性が生まれた。こちらのエンドに天才の片鱗や青巨人で動くことはできるものの、コンボ死の可能性がある以上パワーカードを唱えるためにタップアウトすることは出来ない。

 しかし黒緑とマルドゥに支配された現環境では、コントロールへの有利は求められていない。ジェスカイサヒーリはプレッシャーに弱い…ドローで手札を整えなければうまく回るデッキではなく、アグロに対してはコンボをブッパせざるを得ない状況に追い込まれる(仮令初手に揃っていたって、ブッパはリスクが高い)。呪文捕らえも黒緑・マルドゥに効くとは言えない…どちらかと言えば4Cサヒーリのような払拭をお供に対応を迫るデッキに刺さるカードだ。以上から、現メタゲームへの要求にジェスカイサヒーリは応えられていない。

 Grixis Control

土地

2《さまよう噴気孔(OGW)》

4《進化する未開地(BFZ)》

4《尖塔断の運河(KLD)》

4《窪み渓谷(BFZ)》

4《霊気拠点(KLD)》

2《沼(KLD)》

2《山(KLD)》

4《島(KLD)》

生物

4《奔流の機械巨人(KLD)》

呪文

4《予期(BFZ)》

4《天才の片鱗(KLD)》

4《致命的な一押し(AER)》

1《ショック(AER)》

4《蓄霊稲妻(KLD)》

3《電招の塔(KLD)》

3《無許可の分解(KLD)》

2《否認(AER)》

1《光輝の炎(BFZ)》

4《不許可(AER)》

サイドボード

2《竜使いののけ者(BFZ)》

1《苦い真理(BFZ)》

4《光袖会の収集者(AER)》

2《精神背信(BFZ)》

1《光輝の炎(BFZ)》

3《ゲトの裏切り者、カリタス(OGW)》

2《払拭(BFZ)》

 

長所

  • 除去が最も強い
  • アグロサイドボード

短所

  • 受動的なカードしかない
  • マナベースが弱い

  グリクシスコントロールはチャネルファイアボールのチーム間の調整で生まれたデッキだ。粒揃いの除去で凌ぎ、青巨人で勝つ。電招の塔は勝ちに寄与するカードだが、呪文以外でエネルギーを得られず、軽量ドローが予期しかないためグリクシスでは活用しきれているとは言えない。

 大量の除去は一見アグロに強いように思えるが、受動的な余り相手の動き全てに対応しなければならない。青巨人が処理されてしまえばゲームは長引かざるを得ず、いつしか手をすりぬけたカードに倒されてしまうだろう。

 マナベースが弱いのも困りものだ。序盤にタップインを強いられ、そのテンポを挽回するのも難しい。受け身構成はアグロ相手に特に弱い。次のデッキに移ろう!

 U/R Control

Kerrick_, 5-0 in a Competitive Standard League 02-13-2017

土地

4《霊気拠点(KLD)》

9《島(KLD)》

5《山(KLD)》

4《尖塔断の運河(KLD)》

4《さまよう噴気孔(OGW)》

生物

4《氷の中の存在(SOI)》

4《奔流の機械巨人(KLD)》

呪文

4《予期(BFZ)》

2《疑惑の裏付け(SOI)》

3《不許可(AER)》

4《天才の片鱗(KLD)》

4《蓄霊稲妻(KLD)》

4《否認(AER)》

4《ショック(AER)》

1《虚空の粉砕(OGW)》

サイドボード

2《儀礼的拒否(KLD)》

2《払拭(BFZ)》

2《竜使いののけ者(BFZ)》

4《手酷い失敗(BFZ)》

1《機械医学的召喚(KLD)》

2《光輝の炎(BFZ)》

2《グレムリン解放(AER)》

 

長所

  • 強固なマナベース
  • マナカーブが軽い

短所

  • 二色

 赤青の長所短所は表裏一体だ。二色で呪文も軽いことから、高速環境についていくことが可能だ。しかし2色であるがゆえに相手の行動への回答になる汎用スペルを各マナ域に揃えることが出来ない。ショックは黒緑の生物をほぼ落とせないため、氷の中の存在や蓄霊稲妻に頼り切ることになる。《緑地帯の暴れ者(AER)》や《キランの真意号(AER)》のせいで《致命的な一押し(AER)》が幅を利かせていることを思うと、前者は活躍できるとはいいがたい。これだけ欠点があると、どうにも手に余る。

ティムールエネルギーコントロール

土地

4《霊気拠点(KLD)》

4《植物の聖域(KLD)》

2《伐採地の滝(BFZ)》

4《尖塔断の運河(KLD)》

1《山(KLD)》

4《森(KLD)》

3《島(KLD)》

生物

4《ならず者の精製屋(AER)》

3《奔流の機械巨人(KLD)》

2《守られた霊気泥棒(AER)》

呪文

1《ショック(AER)》

4《霊気との調和(KLD)》

3《予期(BFZ)》

3《否認(AER)》

4《蓄霊稲妻(KLD)》

2《焼夷流(EMN)》

1《自然廃退(AER)》

4《電招の塔(KLD)》

4《天才の片鱗(KLD)》

3《不許可(AER)》

サイドボード

1《否認(AER)》

2《慮外な押収(KLD)》

1《不許可(AER)》

2《竜使いののけ者(BFZ)》

2《コジレックの帰還(OGW)》

3《つむじ風の巨匠(KLD)》

2《払拭(BFZ)》

1《グレムリン解放(AER)》

1《自然廃退(AER)》

 

長所

  • 強固なマナベース
  • 能動的

 短所

  ティムールタワーの発案者は八十岡プロだが、Petr Sochurek、Ondrej Stráský、それに私がブラッシュアップを施したのがこのリストになる。このデッキは現メタの要請全てに応えられている。
 先ず、マナベースが強固なためにアグロデッキの猛攻に序盤からついていける。次に、電招の塔や精製屋といった能動的なカードがある。他の手段もあるが何と言っても霊気との調和のお陰で塔に充てるエネルギーを能動的に稼げるため、毎ターン起動することが可能だ。塔はティムールでこそ輝くカードであり、環境にもマッチしている。3点火力はアグロ環境にピッタリで、大体の生物とそれを支援するプレインズウォーカーへの対抗手段になる。塔はコントロールデッキに刺さるサイドカード、とりわけ《反逆の先導者、チャンドラ(KLD)》《不屈の追跡者(SOI)》《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス(BFZ)》といったマストキルカードへの回答になる。
 電招の塔がエネルギーを稼ぎ出すおかげで、《屑鉄場のたかり屋(KLD)》を処理しつつ盗まれた霊気泥棒が機能しだす。塔の他に焼夷流や自然廃頽があることで、従来コントロール殺しだったたかり屋も駆除できる。エネルギー供給が豊富なことで、黒緑相手に最高のサイドである慮外な押収が輝く。相手の最高の生物を奪う1:2交換であるばかりでなく、《造命師の動物記(AER)》のような対処が求められる置物に怖がる必要もなくなる。
 ティムールエネルギーコントロールはマナベースが強く、たかり屋への対抗策があり、能動的なゲーム運びが出来ることから、このフォーマットで青巨人を最もうまく使えるデッキと言える!「巡洋戦艦スタンダード」の中でカードとメタを考える参考になっただろうか。強いデッキは数あれど、強いカードは少ない。大会ごとに使うべきコアカードを見つけ出し、上手く着こなせれば勝ちは自ずとついてくる。質問があれば遠慮なくコメントしてくれ。